• Bentwood shoes
    長田采巳
    木が曲がるという現象は大変興味深い。
    固く、直線的であるはずの木が曲線的に変化する。削るのではなく、曲げることで出来上がるしなやかで美しいフォルムは非常に魅力的である。曲面を作るために成型合板という手法を用いた。成型合板は切り出した薄い木材を重ね合わせ圧着することで曲面を成型する方法である。薄くてもある程度の強度があり、側面には地層のような木を積み重ねた層ができあがった。あえて型を使わず、端のみを固定することで、しなりにより生まれた自然な曲線が生まれた。
     私達が日常履く靴は、足を保護し、長時間歩くことを目的とた足の大部分を包み込むものである。しかし、靴として最低限の「歩く」という機能だけに絞るともっとシンプルで少ない要素だけで成り立つのでは無いだろうか。そこで、靴を足の装飾具としてとらえ、「歩く」という機能のみに必要なかたちを抽出、簡略化し、既製品にはないようなかたちに仕上げた。また、曲線的で温かみのあるウォールナットの木材と対照的に直線的なアルミ材を用いることで素材のコントラストを強めた。